守護神・川口はアトランタ五輪最終予選のサウジ戦が「ベストゲーム」と振り返った
サッカー日本五輪代表物語 #5
西野朗監督・山本昌邦コーチ体制となったUー23(23歳以下)日本代表は1996年3月、酷暑のマレーシアで行われたアジア最終予選に臨んだ。
初戦で難敵イラクと対戦。FW城彰二のゴールで1-1と引き分ける。
エースストライカーの小倉隆史は、合宿中にジャンプして着地した際、膝の後十字靱帯を断裂してチームを離れていた。攻撃を仕切ったMF前園真聖もイラク戦は出場停止だったため、城の一撃は価値あるものとなった。
続くオマーン戦は4-1の快勝。UAEとの第3戦もDF上村健一のゴールで1-0とし、準決勝に進出した。
アトランタ五輪のアジア出場枠は3。つまり準決勝を突破して決勝に進出すれば、無条件で五輪に出場できる。敗れた場合、3位決定戦での勝利が絶対条件となる。
そのサウジアラビア戦は、復活したエースの前園が躍動した。勝利を決定づける2ゴールを決めたのである。そして試合の残り25分は、GK川口能活が主役を演じた。日本のゴールマウスに立ちはだかった。