森元首相は組織委会長クビなのに…「功労者」として開会式出席の非常識
テレビカメラに映し出された場合、国内外の視聴者からブーイングの声が上がるのは間違いない。23日から始まる東京五輪で、開会式に「功労者」として出席する予定と報じられた森喜朗元首相(83)のことだ。
朝日新聞などの報道によると、東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は森氏を「名誉最高顧問」に就ける案を検討し、政府側と水面下で調整しているという。
だが森氏といえば、これまで数々の問題発言が取り沙汰されたうえ、「女性蔑視発言」が決定打となって同組織委会長を辞任した経緯がある。つまり、今は一人の市民に過ぎず、五輪に対して何の権限も持たないはず。そもそも、「名誉最高顧問」自体が論外だが、そのうえ「無観客」の会場に「一市民」を出席させる必要がある理由は何もない。
今の橋本聖子会長(56)は、森氏が「娘」と呼ぶほど可愛がっていた人物。仮に橋本会長が私情で「父」の森氏を開会式に出席させたいと考えたのであれば、これぞ五輪の私物化も甚だしい。このような、何事においても不透明な進め方こそが、五輪エンブレムの盗用問題や開会式直前の制作担当者の相次ぐ辞任――といった構造的な問題につながっているのではないのか。
著しく人権意識を欠いた失言でクビになりながら、シレっと「名誉職」で現場復帰し、さらに列席者が厳しく制限された中での開会式に出席する。そんな森氏の姿を海外メディアから見たら、「Youは何しに開会式へ?」と思うに違いない。