フェンシング男子エペ団体「金」見延和靖<3>今後もいい状況が続くような仕組みづくりや環境づくりを
フェンシングに限らず、各競技団体が東京五輪に向けて強化費を増額。その一方で、宴の後は強化費が削られるケースは少なくない。
「今回の金メダルを(協会が)どう評価してくれるかなと思いますが、当然環境は変わってくると思います。今後もいい状況が続くような仕組みづくりや環境づくりをしていかないと、せっかく一歩を踏み出した歴史が途絶えてしまう。普及、育成のほうにも力を注いでいきたい」
■1億円報酬は「まず使わない」
フェンシングは国際大会でも賞金はなく、多くの選手の生計を支えるのは所属企業からの給与。日本ではフェンシング女子サーブル個人で東京五輪に出場した江村美咲が、今年4月にフェンシング界初のプロ宣言をしたばかりだった。
「(収入は)会社からの給料がメインです。金額もだいたい普通の新卒社会人と変わらないくらい。そこを少し変えたいなという気持ちもあります。僕はネクサスに恩義を感じているので離れるつもりはありませんが、これまで有力な選手が『お金を稼げないから』といって大学卒業と同時に辞めていくのをたくさん見てきた。それが少しでも夢があると思ってくれて続けてくれたらいいなと思うんです」