照ノ富士を苦しめる「3つの重圧」…9月場所V候補筆頭も新横綱での優勝は過去4人のみ
「大鵬さんも、『横綱になったばかりの頃は、相撲を取る方が楽だった。横綱土俵入りは神経がすり減る』と話していた。他の横綱も本場所の土俵入りについては、『真剣勝負を1日2番やるようなもの』と言っていた。角界には『土俵入りがうまくなった横綱は引退が近い』という格言もある。それだけこなれるのに時間がかかるということです」(古株の親方)
しかも、神事である横綱土俵入りは原則、サポーター類の着用禁止が慣例となっている。両ヒザにバクダンを抱える照ノ富士は明治神宮での奉納土俵入りの際、下がコンクリートという事情もあってか着用が許されたものの、本場所でも許可が下りるかどうか。「見苦しいから外せ」となった場合は更なる負担増だ。
最高位ならではの重圧も無視できない。かつて千代の富士はこう話していたという。
「下位の力士は誰それに勝ったとか何連勝したとか、白星が話題になる。そこにいくと横綱は勝って当たり前。優勝以外は負けないとニュースにならない。俺なんて年間10敗くらいでも、そのたびにスポーツ紙で『横綱負けた!』とでっかく扱われたよ」