著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

巨人の大エース相手に投げ勝った! 阪神・高橋遥人に全盛期の井川慶を見た

公開日: 更新日:

 その阿波野といい、先述の井川といい、高橋にはそういう一時代を築いた大エースたちに共通する、投手としての強度みたいなものを感じる。昨年までのプロ3年間で一度も規定投球回に達したことがなく、昨年マークした5勝4敗がキャリアハイという実績に乏しい投手でありながら、なぜ高橋がここまでマスコミやファンの期待を集めるのか、その理由がよくわかった気がする。

 阪神には現在10勝を挙げている青柳晃洋秋山拓巳、通算100勝の西勇輝ら、すぐれた先発投手は他にもいる。しかし、それでも優勝がかかった重要な一戦で、相手エースとの投げ合いに送り込むなら、高橋が一番たのもしいと思ってしまう。体さえ万全なら誰にも打たれない。そんな気持ちにさせてくれるピッチャーが実績のないエース・高橋遥人だ。

 全盛期の井川慶は巨人上原浩治広島黒田博樹中日・川上憲伸ら相手エースとの白熱の投手戦を演じながら最後には投げ勝つ、ということが何度もあった。井川がノーヒットノーランを達成した04年の広島戦は、先述の黒田との緊迫した投手戦の末に「1―0」で投げ勝った試合だった。02年の開幕戦で井川が巨人相手に「3―1」で完投勝利をおさめたときも、相手投手は上原だった。03年には中日・川上との投げ合いの中で、川上の投げた顔面付近のボールを打者・井川がスクイズして勝った試合もあった。だから、井川はエースだったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」