なぜ女だけが罪悪感を抱く? 夕食の準備が間に合わない…ワーママが直面する仕事と家庭のプレッシャー

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コクハク

 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。

【解消されない夫婦のモヤモヤ】

 結婚生活の中で「仕事」と「家庭」の両立に悩むのは、働く母親にとって切実な問題です。特にフルタイム勤務となると、帰宅が遅くなりがちで、家族に負い目を感じることも多くあります。一体なぜ?

 仕事にフルコミットしたいという気持ちと、家庭を支える母親としての役割。二重のプレッシャーに苦しむ女性たちのリアルと、そこに潜む固定観念について掘り下げていきます。

働く母親が抱える「負い目」とは?

 フルタイムで働く母親であれば、皆一度は子どもに対して「負い目」を感じたことがあるはずです。

 仕事で帰宅が遅くなるたびに、家族に申し訳なさを感じてしまいます。

 家事や子どもとの時間を犠牲にしているのでは、と心の中で自分を責めてしまうのです。

 晩ごはんを子どもたちが自分で温めて食べる姿を想像すると、「これでいいのかな」と思わずにはいられません。

 夫が家にいるときはさらに気まずい。

「もっと早く帰ってきてくれればいいのに」と思われているのではないかという思い込みが頭をよぎります。

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夫への思い込みが負担を増やす

 実際、夫は何も言いません。口に出して不満を言われたこともありません。

 それなのに、私の中には「夫はきっと内心、早く帰って来いと思っているはず」という思い込みがあります。

 なぜこのように思うのか?

 この思い込みの背景には、自分自身の中にある固定観念が影響しているのかもしれません。

「ごはんを用意してあげるのは母親の役割」という古い考えが、無意識のうちに自分を縛りつけています。

 夫婦で家事を分担するのが当たり前になった現代でも、このような価値観が自分の中に残っているのは意外ですが。

働く母親の罪悪感

 仕事と育児の両立に悩む母親が抱える「罪悪感」は、私自身も深く共感できるテーマです。

 ウェルネスライフサポート研究所が働く母親1030人に対して行った調査によれば、働く母親の63.4%が職場や家族に対して何らかの罪悪感を抱いているとのこと。

 そして、不安を感じている人が65.7%、現状をつらいと感じている割合はなんと73.1%にものぼります。

 これほど多くの母親が「罪悪感」や「不安」を抱えながら日々を過ごしているのです。

 私自身もフルタイムで働き始めてからというもの、帰宅が遅くなると家族に申し訳なさを感じることが増えました。

 子どもに「おかえり」と言ってもらうたびに、「本当は私が言ってあげるべきなんじゃないか」と胸が痛みます。

男性と女性で異なる「仕事に対する意識」

 一方で、多くの男性は仕事で帰りが遅くなっても「負い目」を感じることはほとんどないように思えます。

 むしろ、「家族のために働いているんだ」という誇らしい気持ちを持っている男性も多いでしょう。

 これには社会的な背景が大きく影響しています。

「男性が働くのは家族を守るための責任」としてポジティブに評価される一方で、女性は「家庭のあらゆる役割を担ったうえで労働するべき」という古い価値観がいまだに根強く存在しているからではないでしょうか。

妊娠・出産でのキャリア離脱が生んだ後悔

 また、夫より収入が少ないという事実も、負い目を感じる大きな要因の一つです。妊娠や出産をきっかけに仕事を辞めた期間があり、その間にキャリアの空白ができたことを、正直後悔しています。

 もし、あのときキャリアを中断していなければ、今とは違う立場に立っていたのではないか…。そんな考えが頭をよぎります。しかし、実際に産休・育休を取得してキャリアを続けている友人たちの話を聞くと、その生活もまた決して楽ではありません。

 特に、小さな子どもがいる家庭では、突発的な病気や保育園からの呼び出しで仕事に穴を開けざるを得ない場面が多いそう。

 そのたびに周囲への申し訳なさや自分自身の疲労感が積み重なり、精神的にも追い詰められると言います。

 そう考えると、仮にキャリアを継続していたとしても、夫と同等、もしくはそれ以上の収入を得るのは難しかったのではないか、とも思えてきます。

 女性が働き続けることの現実を改めて突きつけられるテーマでもあります。

(豆木メイ/フリーライター)

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