ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
認知症の急増は、超高齢社会を迎えた日本にとって大きな社会問題です。新薬も開発されていますが、今のところ“認知症を治す”というところまで効果のある薬はありません。そうなると、何と言っても重要なのは予防です。
認知症は生活習慣と関連が大きく、たとえば「毎日歩く習慣のある人は、ない人と比較して認知症になるリスクが低下した」という研究結果も発表されています。それでは、食事と認知症との関係はどうでしょうか?
認知症の予防効果のある食事として知られているのは、ギリシャなどの地中海地方の伝統食である「地中海ダイエット」です。この食事の特徴はナッツとオリーブオイルを多く摂ることです。
それでは、ナッツ単独でも認知症の予防効果はあるのでしょうか? 今年の老年医学の専門誌に、イギリスの大規模な医療データであるUKバイオバンクのデータを解析した結果が報告されています。
認知症のない5万人以上の一般住民を平均で7.1年観察したところ、ナッツを食べる習慣のある人は、ない人と比較して、認知症になるリスクが12%低下していました。1日に食べるナッツの量は30グラム(手でひとつかみくらい)以下が、最も有効という結果でした。
ナッツは高カロリーなので、摂り過ぎは良くありませんが、適度にナッツを摂ることは認知症予防に繋がる可能性がありそうです。