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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

日本ハム新監督の新庄剛志を語るなら、中村勝広は欠かせない

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 新庄監督誕生については、多くの識者やファンがSNSなどで見解を述べている。今のところ、「新庄はああ見えて意外にしっかりしている系統」の好意的な声が目立っており、改めて彼のスター性を思い知る。今はまだ理性的に考えるのはヤボなのかもしれない。私自身、今はワクワク感が理性を凌駕している。

 しかし、それにしても新庄剛志という人は目立った話題をふりまいたとき、なぜ故・野村克也の名前ばかり恩師として登場させて、同じく故・中村勝広には触れないのだろう。今回の監督就任に関するSNSでも「野村克也監督へ……」と同氏への思いをつづり、多くのメディアが両者の師弟関係を取り上げたが、だったら中村勝広監督も新庄剛志を語るうえで外せない超重要人物だ。

 先述の92年、無名の若虎・新庄剛志をいきなりスタメンに抜擢し、その年の大フィーバーと、後に続く新庄物語のきっかけをつくったのは当時の阪神監督・中村勝広だった。監督としての評価は毀誉褒貶の激しいところがあったが、こと新庄に関しては中村監督が表舞台に引っ張り出し、その後に伸び悩みを経て、99年に就任した野村監督によって息を吹き返したというのが正史だろう。

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