プロ野球CS1stステージ開幕 セ・パ4球団「キーマン」のウラ事情を探る
巨人ビエイラは「メジャーにリベンジ」がモチベーション
6日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)が開幕。セ・リーグは阪神(2位)対巨人(3位)、パ・リーグはロッテ(2位)対楽天(3位)。先に2勝を挙げた方がCSファイナルSへ進出する。4球団のキーマンの裏事情を探った。
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巨人の守護神ビエイラ(28)が燃えている。
来日2年目の今季は8月13日の中日戦で日本球界最速となる166キロを計測。シーズン途中から守護神を務め、32試合連続無失点をマークするなど、56試合の登板で0勝3敗19セーブ、防御率2.93とブレークした。
そんな剛腕に「大リーグ複数球団が興味を示している」とMLB公式サイトの記者がツイッターに書き込んでいるから穏やかではない。
ブラジル出身のビエイラは、2017年にマリナーズでメジャーデビューし、ホワイトソックスと合わせて2球団で3年間プレー。メジャー通算は23試合で2勝1敗、防御率7.36だった。さる球界関係者がこう言う。
「巨人に年俸5000万円で拾われたビエイラは、1年目の春のキャンプから助っ人らしからぬ練習量で、『日本人以上にマジメ。こんな外国人選手を見たことがない』と宮本投手コーチを驚かせたほど。その都度、課題を克服したことで、今や日本を代表するクローザーに成長。本人も巨人に恩義は感じているが、『ノーコン』とバカにされたメジャーで最終的にはリベンジしたい目標があるようです。育てたという自負がある巨人だが、今度は引き留めないといけない立場になっています」
今季の年俸は7000万円。3年ぶりのメジャー復帰か、巨人残留を選ぶのか――。いずれにしても、大幅昇給は確実。ブラジリアン超特急には、内外へアピールするという大きなモチベーションがある。
阪神・大山「4番」再奪取なるか CSが試金石
プロ5年目の大山悠輔(26)は、主将1年目として開幕を4番で迎えたものの、129試合で打率.260(昨季は.288)、21本塁打(同28本塁打)、71打点(同85打点)と主要3部門で昨年の成績を下回った。昨季は巨人・岡本和と本塁打王を争い、今季は93試合で4番を張ったものの、不振で6月29日に初めて6番に降格。腰痛なども重なり、終盤はスタメンを外れることもあった。
得点圏打率はリーグワースト3位の.205。好機での勝負弱さが目立ったことで先日、川藤OB会長が「大波小波では柱になれへん」と猛ゲキ。ポストシーズンでの奮起を求めた。
昨季はウハウハだった。本塁打と打点ではそれぞれリーグのタイトル争いに加わり、年俸は5300万円アップで1億円の大台に到達した。しかし、昨季のタイトルを争った岡本和は2年連続2冠王となり、ヤクルトの主砲・村上も本塁打王のタイトルを獲得。2人の大砲に大きく水をあけられた格好である。
「矢野監督が状態次第では大山のベンチスタートの可能性を示唆しているように、先発出場を確約されている立場ではない。CSで4番の座を取り戻し、OB会長が言う『柱』になれるのか。コロコロ打順を代えられて軽く扱われるのか。はたまた、出たり出なかったりのベンチ要員まで落ちこぼれるのか……。このCSが分かれ道です」(阪神OB)
大山の今後を占う試金石となりそうだ。
ロッテ小島和哉の敵は「ホームの風」と「左打者」
井口監督が第2戦の先発に小島和哉(25)を指名した。
今季チーム最多の10勝(4敗)を挙げる左腕は、楽天との7試合で3勝2敗。直近の楽天戦3試合で24回を投げて2失点、防御率0.75という好成績をマークした。
去る10月3日、第2戦の対戦相手となる可能性がある楽天・田中との投げ合いを制し、完封勝利を飾った。
とはいえ、不安がないわけではない。
舞台はロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアム。ホームでは防御率5.04とパフォーマンスが落ちるのだ。
さらに楽天戦ではそれが顕著になる。4試合25回と3分の1を投げて15失点、同5.32。楽天生命パークでは3試合で21回2失点、同0.85だから、敵地の方が断然好成績だ。
ロッテOBが言う。
「マリンスタジアムはバックネット方向に吹く海風がマウンドに跳ね返ってくる。小島はもともとキレで勝負する投手。ホーム球場でもあるし、本来は利用しないといけない。しかし、この海風を味方にできていないから成績が悪い。楽天打線は左打者が多い。小島は左投手だけに得意としたいところだが、逆の傾向が出ているのも不安材料です」
確かに対右打者の対戦被打率が.218なのに対し、対左打者は.238。打たれているというほどではないものの、右より左の方が投げにくそうである。
敵は「ホームの風」と「左打者」といえそうだ。
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楽天・則本昂大は「出来高」狙いでCSフル回転!
3位からの下克上は当然、日本シリーズも制覇してフトコロを潤したいところだ。
楽天・則本昂大(30)は今季チーム最多の11勝5敗、防御率3.17と好成績を残し、初戦に先発する。そんなエース格右腕がポストシーズンに向ける気迫は、並々ならぬものがあるという。ある球団OBは「ずばり、出来高狙いですよ」とこう続ける。
「則本は2019年に年俸3億円プラス出来高で7年契約を結んだ。ポストシーズンの成績も出来高に入っていますからね。今後を考えたら、チャンスでドカンと稼いでおきたいところでしょう」
則本は今年3月の「週刊ポスト」で、昨年5月に離婚していたことが発覚。原因は自身の不倫。不倫相手にも子供を産ませており、これは則本自身も認めている。
「ナイーブな話なので詳しい金額は聞いていませんが、離婚の理由が理由ですからね。本人もほぼ弁解の余地がなかったそうで、相当な額の慰謝料を支払ったようです。さらに則本には別れた奥さんとの間に2人の子供がおり、不倫相手の子も含めて3人。養育費もバカにならない」(前出のOB)
本人が「不貞のみそぎはマウンドで」と考えているかどうかはともかく、馬車馬のごとくフル回転して日本一の立役者になれば、おのずと札束も舞い込んでくる。