新庄監督仰天会見のウラ側 日ハムが託す“裏ミッション”は栗山10年政権の「垢落とし」

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 日本ハムの広報部によれば、「シーズンシートの資料請求の数は、対前年比2倍以上。ファンクラブ入会者数は、監督就任発表(10月29日)の前日比で10倍以上」だという(2日時点)。

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 4日に札幌で就任会見を行った新庄剛志新監督(49)。2004年から3年間、日本ハムでプレーした当時の人気や注目度は今も健在。スポーツマスコミはもちろん、テレビのワイドショーまで連日、新庄監督の話題を報じている。

 この日の会見に参加したメディアは計35社、119人。民放3社が会見の様子を生中継したことからも、注目度の高さがうかがえる。

 建設中の新本拠地球場が開場する2年後に向けて、営業面の効果は早くも表れているものの、球団の期待はもちろん人気面にとどまらない。

「栗山監督は10年間にわたってチームを指揮、現場には長期政権のオリがたまっている。新庄監督はそういったものを取り除くことを期待されています」と、球団OBのひとりがこう続ける。

■トウの立った選手の使い回し

「栗山監督は選手に見切りをつけるのが早い。吉田輝(20)や万波(21)らポテンシャルの高い選手であっても、結果が出なくなるとすぐに二軍に落とす。チームが低迷するここ数年は、特にその傾向が顕著だった。一方でトウの立った杉谷(30)や松本剛(28)らを重宝して使い続けた。勝つためと言いながら平均点の選手を使い回していれば、戦力の上積みは期待できない上に、チームも活性化しない。悪循環です。栗山監督の選手起用に、不信感を抱く選手も中にはいたそうです」

 最たる例が高校通算111本塁打、ドラフトで7球団が競合したプロ4年目、清宮(22)の起用法だ。昨年までは辛抱して使っていたものの、今季は一軍に昇格させることすらなかった。今季5本塁打で芽を出しつつある3年目の万波の使い方にしても疑問だ。1打席でも多く一軍の投手と対峙させ、経験を積ませるべきなのに、スタメン起用しながらチャンスで代打を送ったり、シーズン終了まで2試合を残した時点で二軍落ちさせたり。その2試合を連勝して最下位を脱出したものの、若い芽を摘んで5位に浮上したことにどれだけの意味や価値があるのか。

フロントの専権事項にも介入

 日本ハムは「ドラフトと育成」が2本柱。見込んだ生え抜きは、早い時期から一軍で起用して一本立ちさせる。レギュラーを放出してでも若手にポジションを与える“促成栽培”は、チームの活性化につながった。栗山監督も有望な若手を一軍で起用したが、低迷するここ数年は辛抱できないのか、見切りをつけるタイミングが徐々に早くなっていった。チームの新陳代謝は、いきおい遅れた。

 栗山監督の独善は選手起用に限らない。フロントの専権事項にも介入したフシがあるという。

「数年前のことです。あるコーチの能力を疑問視したフロントがスタッフから外そうとすると、栗山監督はそれなら自分も辞めると言い出し、以降もそのコーチを傍らに置き続けた。そのコーチは常に栗山監督の選手起用や采配を後押しするイエスマンだったからだといわれています。ドラフト指名選手にしても、中には栗山監督の意向が入ったケースもあると聞きました。日本ハムの監督は通常、スカウト会議に参加しませんけど、栗山監督は会議に出ていたそうですからね」とは別のOBだ。

■明るく辛抱強く起用

 それだけに新庄監督には、内部にたまった垢を洗い流すことが期待されているという。

「現役時代は派手で奇抜なパフォーマンスばかり取り沙汰されていましたけど、人の見ていないところでコッソリと練習するなど、野球に対しては真摯に取り組んでいた。選手として日本ハムに加入すると、同じ外野手の森本稀哲にアドバイスを送って才能を開花させています。稀哲の長所をいかに伸ばすかを考えた助言だったそうで、選手の個性は最大限に尊重するでしょう。実力があるのに伸び悩む選手に対しては明るく接し、辛抱強く起用し続けるタイプだと思いますよ」(前出のOB)

 この日の会見では今後に期待を抱かせるようなコメントがポンポン出てきた。

「優勝なんか一切、目指しません。高い目標を持ち過ぎると、選手というものはうまくいかないと思ってるんです。一日一日地味な練習を積み重ねて……9月のあたりに優勝争いをしていたら『優勝を目指そう!』と。そこの気合の入り方は違うと思うので」

「メンタルを鍛えながら、ピッチャー3人、野手4人のタレントをつくり上げていけば楽しいチームになるし、その時にはもう強くなっている」

「レギュラーなんて一人も決まってない」

 垢落としどころか「大掃除」が期待できそうだ。

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