青柳?西?それとも…阪神が抱える「エースは誰なのか」問題
実際、青柳は昨年が初の2ケタ勝利だったわけだから、まだエースと呼ぶには早すぎるのかもしれない。過去の実績では西の他に、2ケタ勝利を3回マークしている秋山だって有力候補だろう。
■夢を見てしまう2人
しかし、エースという言葉から想起される、たとえば巨人・菅野智之やオリックス・山本由伸といった当代屈指の投手たちと比較すると、西も青柳も秋山もなんとなく物足りなくて、我が阪神の先発投手陣は大関クラスが何人かいる感じなんです、と言いたくなる。もしも菅野や山本と投げ合うことになったら、3人束になっても負けそうな気がしてしまう。
おそらく、もう何年も不振が続く藤浪晋太郎に今もあきらめきれない夢を見てしまうのは、彼がエースの称号にふさわしいスケールを感じさせる投手だからなのだろう。ガラスの左腕・高橋遥人もそうだ。故障が多い彼がフルシーズン働くなんて無理なんだろうとわかっていながら、あの万全のときの高橋なら菅野や山本にも劣らないと夢見ているからなのだろう。
もうこうなったら、高橋は中10日で年間20試合登板でもいいんじゃないか。それで15勝、防御率1点台、規定投球回数未到達なんて奇妙な成績を残したら、それもまた味わい深い。