北京五輪“死角なし”感染対策の舞台裏…東京五輪「バブル崩壊と乱痴気騒ぎ」を反面教師に
選手村内では選手らが飲酒をしながら踊り狂い、警察沙汰になったことなども、国内外に大きな波紋を広げた。
■中国代表団の半数近くが視察目的
前出の近藤氏はこう語る。
「実は、中国から東京五輪に派遣された代表団の777人のうち、選手やコーチなどは450人ほど。残りは北京五輪に備えた“視察目的”だったんです。良い面はもちろん取り入れますが、視察の結果、『やっぱり日本のバブル方式はずさんである』という結論に至ったと。中国人記者から聞きましたが、東京五輪には物理的な“壁”もないし、コンビニなどへ出歩ける。スマホを使った健康管理も機能していないし、そもそも強制力がない。これはありえない、絶対やめさせようとなったそうです」
バブル外であってもコロナ対策は段違いだ。現時点で1月の北京市内のコロナ感染者数は100人余りだが、その中で感染者が多いとされる豊台区の全区民約200万人を対象にPCR検査を敢行している。
「それだけではありません。先日、北京五輪へ向けた記者会見で『選手を乗せた車が(バブル間の)移動中に事故に遭ったら、市民はどうするのか』という質問が出ましたが、返答は『それでも助けてはいけない』というものだった。そのくらい徹底しているので、大会関係者は抜け出そうとする気すら湧かないでしょう」(近藤氏)
東京五輪のレガシーは意外な形で生きているというのだ。