労使合意で「選手間格差の拡大」は是正 MLBの若手がNFLやNBAより恵まれている“2つの理由”
昨年12月2日から続いていた新労使協定を巡るMLB(オーナー側)と選手会による交渉が3月10日に急転直下で合意。今季メジャーリーグは例年通り162試合制で実施されることになった。
この新協定で注目されるのは「FA長期契約選手」が恩恵を受けるぜいたく税のリミットが9.5%(約2億1000万ドルから2億3000万ドル)の伸びにとどまったのに対し、3年目までの若手が恩恵を受ける最低年俸が22.7%(57万500ドルから70万ドル)もアップしたことだ。それに加え、新人王投票で2位以内に入った選手と、MVP投票とサイ・ヤング賞投票で10位以内に入ったメジャー在籍2年目までの選手は最低年俸期間が3年から2年に短縮されることになった。
この変更は、選手会側が「選手間格差の拡大」に対する批判をかわすため、恵まれない立場にいる若手への分配を厚くすることに注力したからだ。1年短縮される選手の人数は多くないが、3年目まではどんなに活躍しても最低年俸で、4年目からは年俸調停期間に入って年俸が数百万ドル規模で上昇するようになる。7年目以降は「FA期間」に入るため成績優秀な選手は1000万ドル単位の長期契約をゲットしてビリオネア、というMLBの極端にベテランに手厚く若手に厳しい岩盤規制が崩れたという点で意義があるのだ。