開幕9連敗でも…暗黒時代の新庄剛志が教えてくれた「ダメ虎」の楽しみ方
阪神がセ・リーグ歴代ワースト記録となる開幕9連敗を喫した。チーム防御率5.85、総失点54はともにリーグ最下位、総得点29は同5位。先発投手が早く崩れ、リリーフも打ち込まれ、それを取り返すほどの打力もない。まさに絵に描いたような泥沼状態だ。
先発陣に目を向けると、藤浪晋太郎や小川一平、桐敷拓馬は最初からギャンブル枠(もちろん期待を込めての)みたいなところがあったが、西勇輝、秋山拓巳、伊藤将司、ガンケルといった実績のある面々が投げる試合でもことごとく勝てなかったのは痛かった。コロナにより一軍から離脱中の青柳晃洋と、手術明けで出遅れている高橋遥人が復帰してくれば上がり目はあるものの、早くも借金9のダメージはそう簡単に回復できるものでもないだろう。
こういうとき、私は虎党として不機嫌になるかといえば、実はまったくそんなことはない。
1980年代後半~2000年代初頭の長く厳しい暗黒時代を経験しているからか、それも人格形成に多大な影響を及ぼす思春期から青年期をそこで過ごしているからか、ダメ虎状態に陥ったときの耐性がすっかり備わっている。借金9、優勝確率0%なんて文字が新聞にでかでかと躍っても、そもそも巨人に次ぐ歴史を誇る老舗球団でありながら2リーグ制以降5回しか優勝していないのだから、別にどうってことはない。優勝しないことが日常なのだ。