著者のコラム一覧
阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

あと1年できると手応えも 36歳で受けた「戦力外通告」が二転三転した裏側

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■権藤監督が「そんな話はいますべきじゃない」

 そんなことを考えていると、突然、部屋に権藤監督と山下大輔ヘッドコーチが入ってきた。2人で話をするためか、編成の人を探していたのかは分からない。ただ、編成と私が話をしているのを目の当たりにした権藤監督は、

「阿波野に何を話しているんだ」

 と、編成に尋ねた。

 編成から経緯を聞いた権藤監督は、

「そんな話はこのタイミングでするな。それはまだ、決まってない。そんな話はいま、すべきじゃないし、白紙だぞ」

 と編成に言い、構想外という話はいったん「白紙」になった。そして翌日の最終戦──。

 今度は試合前の練習が終わった4時過ぎくらいだった。前日、私に来季の構想から外れていると告げた編成の人から再び呼ばれ、またしても構想外だと通告された。

 前日は権藤監督の話によって、構想外が白紙に戻った。なので「きのうはああいった話があって白紙になりましたけど、それを踏まえたうえで構想外ですか? それは最終決定でしょうか?」と尋ねた。すると「その通りです」という返事が返ってきた。 (つづく)

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