蒼国来の十両昇進で電話が殺到! 爆発寸前のガラケーを買い替える羽目になった
■後援会が衣類手配
この頃はドタバタでしたね。日本出身の力士ならば、出世するにつれて故郷に力士個人の後援会が発足し、彼らが化粧まわしなどを作製するのが慣例となっています。しかし、蒼国来は中国内モンゴル自治区出身。彼の世話をしてくれる後援会がなかったのです。
地位によって、必要なものが増えてくるのがこの世界。例えば序二段から三段目に上がると、着物や羽織を着る資格を得ます。雪駄や足袋も三段目から。十両に上がると、紋付きや冬用のコートなども必要です。本場所で使うまわしも、関取は博多織のものと決まっています。
そこで動いてくれたのが、荒汐部屋の後援会です。後援会の幹事の方々が中心となり、「じゃあ化粧まわしは誰々さん、締め込みは誰々さん」など新調するものを振り分け、準備してくれました。これには私はもう、感謝しかありません。彼らの間を駆け回って、「ありがとうございます!」と文字通り頭の下がる毎日でした。
携帯が爆発寸前になったことも含め、蒼国来の十両昇進には忘れられない思い出がいっぱいです。(つづく)