【ボートレース】ボートレース住之江(後編)2人の異色アクアコンシェルジュ
女子レーサーの夢破れる
本場内では、かわいらしいユニホームを身にまとった若い女性によく出会う。ゲートでファンサービスのお菓子や出走表を手渡したり、総合インフォメーションで困り事などを受け付けたり。来場者案内や誘導、イベントのアテンドなどを笑顔で務めるアクアコンシェルジュたちだ。そのうちのひとりが片上渚月さん(26=写真右)。
「仕事をするきっかけは家がここから近かったので。子どもの頃はこの大きな建物がボートレース場とは知らず、母は『造船所かしらねぇ』と。なので大きな船を造っているんだなあと思いながら、でもどうやって海まで運んでいくのかなと不思議でした」
純真無垢な少女だったんだろうな。推しレーサーは岡山支部の土屋南。「美人だし、初勝利がここ住之江。私と生年月日が一緒なんですよ」とうれしそうに話した。
もうひとりの白石実帆さん(21=同左)は、世が世ならボートレーサーになっていたかもしれないほどのボート好きだ。
「レーサーをめざして最終面接試験までいったんですよ。でも、2回も落ちてあきらめました。女子初のSGウイナー、遠藤エミさんのような選手になりたかったんですけどね」
4泊5日で受験した福岡県「やまと学校」の最終会場には130期の村田佳奈子、今年デビューした南彩寧がいた。
「会えば今も手を振る仲。頑張ってほしいですよね」
自らの夢を2人に託し、陰ながら応援する白石さん。その思いはしっかりと伝わっていることだろう。