ヤンキースのオーナー「スタインブレナー家」の変化を告げるレイズ救済…かつてはことあるごとに敵愾心も
今回の措置は1966年にガルフ・コーストリーグ・ヤンキースを創設して以来、タンパとの関わりを密接にしてきたヤンキースが本拠地を一時的に失ったレイズの窮状を救ったことになる
だが、2010年に没し、球場名にその名を残す先代オーナーのジョージ・スタインブレナーの時代を考えれば、ヤンキースがレイズに友好的な態度を示すことは隔世の感がある。
なぜなら、スタインブレナーはヤンキースの縄張りと考えていたタンパに、しかも同一リーグの同一地区にメジャーリーグ球団が本拠を構えることを喜ばず、ことあるごとに敵愾心を示していたからだ。
1973年にヤンキースを買収して以降、球界の頂点に立つためであればフリーエージェントとなった有力選手と積極的に契約を結び、ビリー・マーチンを5回にわたって監督に据え、5回解任するなど、あらゆる手段を用いたのがスタインブレナーだった。そこには、ヤンキースこそが人生の全てであるというスタインブレナーの強い意志が表れていた。
しかし、息子である現任のハル・スタインブレナーにとって、ヤンキースを所有することは人生そのものではなく、事業のひとつでしかない。今や大リーグで最古参の球団所有者となったスタインブレナー家にも、着実に変化が起きているのである。