データ解析偏重から「頭脳、経験、人脈」を併せ持つGMへ…かつてスター選手の抜擢はレアケースも
2012年にMVPを獲得した元スター選手のバスター・ポージー(37)がこのオフ、古巣・ジャイアンツの「編成本部長」に就任した。最近は実質的なGMにこの肩書を付与し、筆頭GM補佐がGMを名乗ることが流行しているので、ポージーは事実上のGMになったのだ。
MLBでは元有名選手がGMに就任するケースがほとんどなく、アスレチックスで4年連続20勝をマークしたデーブ・スチュワートが14年にダイヤモンドバックスのGMに就任したことがあった程度だ。
1990年代までのGMの多くは、マイナーの選手が引退後、球団のスカウト部門や選手育成部門に転じて実績をあげ、内部昇格した人たちだった。
しかし、21世紀に入ると潮流が変わり、統計学的な手法でデータを解析してチームづくりを行うアイビーリーグ出の秀才が30代の若さでGMに就任するケースが多くなる。
ところが、ここにきてまた、流れが変わり始めた。名門大学出身者がメジャーリーグで活躍して引退後、GMに就任するケースが出てきたのだ。彼らはデータ解析だけに重きを置かず、自分がメジャーで得たさまざまな教訓を生かすと同時に、培った人脈をフルに活用するようになる。