「格付けしあう女たち」白河桃子氏
■「一定基準のない複雑怪奇な人間関係、それが女子カーストです」
ランチタイムにつるんだり、上司への愚痴に花を咲かせたりと、一見仲が良さそうに見える女性たち。しかし、そこには互いに格付けし合う「女子カースト」が存在していた――。男性は知る由もない、そんな女子世界の実態をひもといたのが本書だ。
「男性の場合はどんな集まりであれ、年齢や年収・地位など社会的なことで上下関係が決まりますが、女性はそうじゃない。社会的な成功のほかにも、“女の幸せ”という曖昧なモノサシのダブルスタンダードになっているんですよ。だからママ友、同級生など所属する集団ごとに張り合う項目が変わるうえ、メンバーがリンクしているとさらにややこしくなる。一定基準のない複雑怪奇な人間関係、それが女子カーストです」
女子カーストの生まれる経緯はこうだ。まず、婚活や職場など所属する人間関係の中で、会話や身なりからステータスを探り合い、仲間かどうかを確認。それから自分のほうがいかに格上か、幸せかを相手に印象づける“マウンティング”で、カースト内順位が決まっていく。マウンティングの対象は、オシャレか、人脈があるか、独身なら恋愛経験や彼氏の有無、既婚なら夫の年収や企業名、はたまた子どもの学校までに及ぶ。