「消えたい」高橋和己著

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 彼らは生き延びるために自分の感情を抑圧して生きてきたので、何か食べてもおいしい・まずいなどを感じない、人にやさしくされてもそれを感じない。やさしさを自覚すると自分が崩れてしまうからだ。いったい、なぜ親が我が子をここまで追い込むのか。
「親自身が発達障害で、子どもを育てる責任感や能力がないんです。そういう人はどんな時代にも一定程度います」

 患者は、もともと親が子どもを愛せない人間だったと教えられ、こんな大変な人生をよく頑張って生きてきたね、と著者に言われたことで、自分が虐待されていたことを初めて認識する。

 そして、自分の努力が足りないためではなかったのだと分かり、まるで呪縛が解けたように人間としての感情や感覚を取り戻す。
「カウンセリングを受けて家に帰ったら、それまで甘えたことがなかった子どもさんが、お母さんに甘えてきたそうです。いつも緊張していたお母さんが柔らかな表情になっているのに気づいたんでしょうね」

 本書を読んで、もしかしたら、自分も当てはまるのではないかと感じたらまず、クリニックで受診を。

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