「今日より明日は少しはマシになる」と信じる希望の思想

公開日: 更新日:

「プラグマティズムの作法」藤井聡著

 土木工学を専攻して京大で公共政策の教壇に立つ著者。そんな人がなぜ哲学を講じるのか。

 たとえば渋滞問題を解決するためには街路のデザインなどを工夫する以外にも、みんなに車ばかり使わないようコミュニケーションを図るという手があるのではないか。そんな「より望ましい需要をつくる」ためにもプラグマティズムが役立つという。学者が高説を述べるのに対して「それで?」と問い返す地に足の着いた経験的知性。著者はさらに構造改革や自由化を進めてきた昨今の日本政治・経済の状況を、プラグマティズム的な知性の不足によるものと見る。大恐慌時代のデフレ不況を克服したケインズはプラグマティズム的な知性だった。いまはそれを見習うべきなのだ。

 3年前の著作だが、現政権暴走下のいまこそ役立つ一冊だ。

(技術評論社 1580円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで