「今日より明日は少しはマシになる」と信じる希望の思想

公開日: 更新日:

「プラグマティズム入門講義」仲正昌樹著

「実用主義」や「道具主義」などと呼ばれ、「アメリカの哲学」という通称から何かと誤解されてきたプラグマティズム。

 だが、著者によれば「実用的」とは「賢く振る舞うための規則」を知っていること。カント流の道徳的な「人倫の法則」は無条件に「~しなければならない」とするが、実用主義の「怜悧の法則」では「~したければ~せよ」と思考する。こういう態度は理科の実験のような実際的・経験的な知性となじみやすく、観念的な理屈に走らず現実的な社会改革をめざす態度にもつながっていく。「入門講義」を多数手がける著者ならではの書物版哲学教室。

(作品社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで