「イースター島を行く」野村哲也著

公開日: 更新日:

 入植者が初めて島に上陸した浜辺に並ぶ「アフ・ナウナウ」の7体のうち4体の頭には、帽子のような赤色のプカオがのっている。プカオとは、神や王から霊力をもらうために髪を切ることを許されなかった高貴な人々が結っていたまげをかたどったもので、同様のモアイはここ以外に2体しかないという。

 この「アフ・ナウナウ」のもうひとつの特徴は、全身に施された彫刻で、その美しさと精緻さは島でも有数だそうだ。

 その他、初期のモアイ「アフ・アトゥレ・フキ」や、100メートルの台座に15体が並ぶ壮観な「アフ・トンガリキ」などを巡り、その歴史やエピソード、見どころを紹介。さらに、モアイが作られた採掘場「ラノ・ララク」や、かつて島の最高権力者選びとして行われた「鳥人儀礼」の舞台などを訪れ、古代ラパ・ヌイ人が築き上げた文明の一端に触れる。

 しかし、一時は島民が111人にまで激減し、数々の文明や伝統行事が失われてしまった。そんな中、文化と誇りを取り戻そうと始まったのが「タパティ祭り」だ。選ばれた王女候補2人の家族や友人らがそれぞれ200人ほどの大競技団を結成して、36種もの競技を競い合い、ミス・ラパ・ヌイを決める2週間に及ぶその祭りの詳細もリポート。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に