「ロンドン歴史図鑑」キャシー・ロス、ジョン・クラーク著、樺山紘一解説、大間知知子訳
ロンドン歴史博物館が収蔵する300万点にも及ぶ収蔵品から厳選された地図や図版、遺物を紹介しながら、世界有数の国際都市・ロンドンの誕生から現在までを概観する豪華図鑑。
ロンドンの歴史はテムズ川があってこそ。ロンドンが都市として形成されるはるか昔の50万年近く前、現代のテムズ川流域に川が流れ始めると、気候や海水面の変動に合わせるように動物や初期の人類が現れては消えていった。そして4万年前ころから現生人類が流域に住み始め、さまざまな部族が集落をつくる。
しかし、ロンドンをつくったのはそれらの人々ではなく、ローマ人だった。紀元43年、4万人の兵からなるローマ軍がブリタニアに上陸。ローマに従属する各部族の中心地が都市となり、それらの都市を結ぶ主要道路がテムズ川を渡らなければならなかったため、渡河地点として選ばれたのが、橋が架けられるほど川幅が狭く、後にロンドンとなる土地だった。その土地に建設された都市、ロンディニウムには世界各地から人々が集まり、急速に発展。
ローマ人測量技師たちによって造り上げられた道路のいくつかは現代まで使用されている。