読む人を物語世界に誘う長編小説特集

公開日: 更新日:

「世にも奇妙な君物語」朝井リョウ著

 ページをめくれば、そこは現実の世界から微妙にズレている不安定な世界だったりする。ほんとはすごい小心者なのに、活字を追っているうちにいつしか犯罪者の心理にどっぷりつかってしまうこともある。物語を満喫できる新刊長編小説をご紹介。

 フリーライターの浩子は、酔いつぶれた店から真須美という女に、彼女の家に連れて行かれて介抱された。どうやらそこはシェアハウスらしい。なぜか真須美は同居人に、道端に倒れていた浩子を助けたと説明する。そこに住む4人の男女はみな経済的にも精神的にも自立していて、シェアハウスに住む必要などなさそうに見えた。ちょうどシェアハウスの特集を企画していた浩子は、引っ越しする由可里の代わりに入居することに。だが、ニュースの画面に由可里が映ったことに気がつく。ここの住人は一体……。(「シェアハウさない」)

 他に、リア充裁判でコミュニケーション障害と指摘された姉をもつ女性など、奇妙な人びとを描く短編5編。(講談社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議