「早春賦」山口恵以子著

公開日: 更新日:

 明治28年、20歳の菊乃は、政商の父・勝太郎の意向で、伯爵家の子息・通敬に嫁ぐ。菊乃は、一目会ったときから、通敬の得体のしれない魔性の魅力に引き寄せられる。しかし、初夜、菊乃は通敬の扱いに自分が大切にされていないことに気づく。舅の伯爵や、亡き義兄の妻・五百子らと同居する身分違いの暮らしにも馴染めない。それでも、4カ月後、懐妊した菊乃は通敬との関係が変わることを期待する。喜びもつかの間、菊乃は通敬に妾がいて、彼女が自分たちの婚礼の夜に出産していたことを知る。そのショックから流産してしまった菊乃は、泣き寝入りしたくないと、通敬らを見返してやることに。

 激動の時代、旧弊に立ち向かった女性の生きざまを描いた大河小説。(幻冬舎 1500円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」