「言い訳だらけの人生」平安寿子著
家電メーカーに勤務する修司は、49歳の誕生日を迎えた。バブル入社組の課長補佐だが、もう昇進や役職に興味も湧かない。
そんなある日、中学時代の友人・和彦から「徳市じいさんが死んだ」と聞く。98歳だったという。徳市じいさんは、修司たちが暮らすニュータウンの裏山で、周囲との交流を避け、仙人のように暮らしていた変人だ。中学1年のとき、裏山へ探検にでかけて以来、和彦と修司、そして弟分の達也の3人は、じいさんの家に入りびたり、遊んでいた。和彦は、娘が遺骨の引き取りを拒否したじいさんの葬式をあの裏山でやるので参列して欲しいと修司を誘う。
秘密の場所の思い出を共有する3人の中年男を主人公にした長編小説。
(光文社 1500円+税)