「会社という病」江上剛著
会社に巣食う病と処方箋
エアバッグ大量リコール、不正会計、杭打ち不正など一流企業で頻発する不祥事。その原因は、社員が疲れているからだと著者は指摘する。好業績に浮かれる経営者は、社員が抱える悩みや不安に気づかず、「もっと働け、もっと稼げ」とけしかける。その答えが偽装や不正なのだと。
本書は、企業をむしばむさまざまな病気をあぶりだす会社のカルテ。実績ではなく学歴で昇進を決める「人事という病」をはじめ、上司の無能度のバロメーターともいえる「残業という病」、本業からはずれたり、同業者がやっているからという理由だけで手を出すと痛い目を見る「新規事業という病」など。会社に巣食う病とその処方箋を説く。(講談社 880円+税)