アメリカの汚れた戦争と中東情勢の真実

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「トルコ 中東情勢のカギをにぎる国」内藤正典著

「中東はいまや崩壊寸前」と、中東の政治とイスラム系移民についての専門家である著者は断定する。しかし、トルコだけは自国と地域の安定および民主化への確実な歩みという点でほとんど唯一の成功例だという。

 クルド人弾圧やアルメニア系虐殺の歴史などを問題にするアメリカとは対立関係にあるが、政教分離を徹底し、イスラムという強力な宗教を国家の管理の下に置くという離れ業を演じているのも事実上トルコだけ。

 他方でハマスが政権を握ったことで国際的に孤立し、アラブ世界からも冷たくされたパレスチナのガザに対して「アラブの連帯」「イスラムの社会的公正」を掲げて支援に乗り出してもいる。ロシアを挑発したり連携したりの離れ業を演じるなど、中東情勢の真のカギを握るトルコの今を伝える。(集英社 1500円+税)

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