「家族という病2」下重暁子著
あるべき家族像にとらわれ過ぎて、幸せを見失った日本人の姿を描き出したベストセラーの続編。
女優の「子供を産まない人生を選んだ」という発言が話題になったが、自身も子供を作らなかった。それは、母の期待を一身に背負って育ったつらい体験から、自分も同じことをするかもしれないと恐れたからだという。善にも悪にもなりうる正体不明のものが家族であり、どうなるかは家族を構成する側にかかっていると説く。
川崎中1男子殺害事件の被害者の母親へのバッシング、フランス人の目には異様に見える家族のために忍耐する日本人など。日本独特の家族観に疑問を投げかけながら「親の介護を楽しむ極意」など、家族という病を克服し人生を取り戻すヒントを伝授。
(幻冬舎 780円+税)