中国経済はバブルリレーのアンカー(最終走者)なのか?
「2020年の中国」此本臣吾ほか編著
昨年の中国共産党全人代で報告された「新常態(ニューノーマル)」。高成長を中成長に切り替える新方針だが、要は景気減速が明らかな現状をソフトランディングさせる方針への転換ということだ。
しかし途上国→中進国→先進国と進む間も十分な輸出市場を持っていた日本、韓国、台湾などと違って巨大な中国は求める市場もけた外れに大きい。そこで海陸のシルクロードを生かして中央アジアや近東に活路を求める「一帯一路」構想をぶち上げたものの、その行く手は難路だ。
野村総研の中国専門家による本書は中国の現況と今後の事業機会を丁寧に解説。消費意欲の旺盛な中国の中間層にとって日本ブランドは「丁寧」だが、欧米の「高級」や韓国ブランドの「おしゃれ」などのような特徴が希薄という指摘なども興味深い。(東洋経済新報社 2000円+税)