「うちの会社のセクハラ時計は、昭和で止まっています」と言うのは建築関係の会社の女性。女性が髪を切ると、いまだに「おっ、失恋でもしたのか?」と言う人だらけ。逆にセクハラ時計が非常に進んでいるのは、特に欧米系の外資系企業や官公庁。旧財閥系大企業の社員がセクシー系サービスを提供する風俗などで得意先を接待するために、新奇な風俗探しに心血を注いでいるのに対して、欧米系の企業は、顧客と一緒にキャバクラに行くことすら禁止なのだ。究極のプライベート部分であるシモ関連のことがビジネスの場に入ることは許されない。(「セクハラの時差」)
ユーモアと毒が、ピリリと効いた45編のエッセー。(講談社 1300円+税)