「パイルドライバー」長崎尚志氏

公開日: 更新日:

「読む人によって、サイコロジカルサスペンスだとか、警察のバディーもの、群像小説、謀略小説など違った感想をいただきます。取り扱う事件が複雑で奇想天外な分、警察への取材は徹底して行い、刑事同士の呼び方から部署同士の関係性までリアリティーを追究しました。恐らく、警察という組織について今、日本で一番正確に書かれている小説だと思いますよ」

 長年漫画原作に携わってきた著者だが、小説の執筆は全くアプローチが異なる作業だという。

「漫画原作はシナリオのようなもので、絵にしたときにどうなるかを考えて書く。一方の小説はそれが必要ない分、内面描写をとことん追究できます。今回の小説を絵にしたら、ものすごくクドイ内面シーンを描かなければならないので、漫画にはならないでしょうね」

 ダイナミックに猟奇事件を追う中で、主人公らはもちろん、その他の警察官や事件関係者の葛藤や焦りも緻密に描かれていく。

 一方、次から次へと浮かび上がる謎の連続で、ページをめくる手を止めさせてくれない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方