午後10時~午前2時は睡眠のゴールデンタイムではなかった!

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「やってはいけない眠り方」三島和夫著

 健康のためには、食事運動と同じくらい睡眠が大切ということはもはや常識となっている。しかし、何となく信じられている睡眠の常識には、誤りも少なくない。本書では、国立精神・神経医療研究センターの部長を務める睡眠研究のプロフェッショナルが、本当に正しい睡眠を伝授している。

「午後10時から深夜2時は睡眠のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがあるだろう。この時間に寝ていると、骨や筋肉の成長を促し細胞の修復にも関わる成長ホルモンが盛んに分泌されるためだという。しかし、これは都市伝説じみた誤りだと本書。

 成長ホルモンが分泌されるのは、実は入眠から3時間の間に訪れる、もっとも深いノンレム睡眠の最中であるという。そのため、寝付いてから3時間ぐっすり眠ることができれば、何時に寝ようが問題ないのだ。「午後10時から深夜2時」を信じて、眠くもないのに布団に入っていた人は、逆にストレスになるため今日からでもやめた方がいい。

「眠れなくても横になっているだけで体が休まる」というのも大きな間違い。眠れないのに悶々としながら布団にしがみついていると、“横になっただけで目が冴える”などの心理的反応を引き起こし、不眠を悪化させる。布団に入っても15分以上眠れずイライラしてきたら、思い切って起き、リビングなどに移動して気分転換するのがおすすめだ。

 正しい睡眠習慣を知り、健康な体と心を手に入れよう。(青春出版社 850円+税)

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