「エロ本水滸伝」池田俊秀著 鈴木義昭責任編集
20年前に亡くなったエロ本界の名編集者の遺稿を編んだ回顧録。
1976年、前年に創刊された過激なカルト的エロ本「ニューセルフ」の編集部に加わる。しかし、入社早々、ニューセルフは当局から発禁処分を受け、著者も取り調べを受けてしまう。
それでも、エロ本界はさらに過激となり、後続の革命的エロ本「Xマガジン―Jam」は創刊号で山口百恵宅のゴミ箱をあさり、その内容を紙面に掲載するなどの企画を連発。のちに著者はJam創刊時のスタッフと仕事を共にするようになる。
そんな自らの体験を語りながら、異様なパワーを放っていた70年代後半から80年代初頭のエロメディアの熱気と、そこにうごめいていた人々の行状をリアルに描き出す。
(人間社 900円+税)