「サケが帰ってきた!」奥山文弥著、木戸川漁業協同組合監修

公開日: 更新日:

「でかい!」

 鈴木謙太郎は4歳のとき、父に連れられて釣りに行った川で、初めてシロザケを見て立ちすくんだ。やがて水産高校に進み、木戸川漁協に就職して、サケの増殖の仕事を担当する。2011年3月11日、地震が起きて電気が止まり、養魚池のポンプと水車が止まった。その後、津波が川を遡り、漁協を襲った。

「やめてくれ!」

 数日後、謙太郎は養魚場の700万匹のサケの稚魚が死んで、池の底に沈んでいるのを見る。楢葉町は放射能の警戒区域に指定されたが、許可を得て10月下旬、木戸川の上流に調査に向かうと、川一面にサケが上ってきていた。

 東日本大震災と原発事故の被害からの復興を目指す青年の奮闘記。

(小学館 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方