「犬がいるから」村井理子著

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 ノンフィクションの翻訳をしている著者は、物心ついたときから犬と暮らしてきた。黒いラブラドルレトリバーのハリーは、到着して1週間後に破壊活動を開始、家具という家具に歯形をつけた。

 琵琶湖の近くに建てた自宅も、11年目ともなるとあちこち壊れたり汚れたりしてくる。ハリーがベランダの床板をかじったり、フローリングの一部を爪で削ったりしているし、以前に飼っていた2頭の犬がつけた汚れも残っている。塗り直そうと思ったが、それは彼らの置き手紙のように思えて消せない。もう少しだけ2頭の存在をこの家の中に残してあげたい。

 愛犬に振り回されながらもそれを楽しむ、心優しいエッセー集。

(亜紀書房 1500円+税)


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