「日本史のミカタ」井上章一、本郷和人著

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 東西の歴史学者が新たな視点で日本の歴史を読み解く対談集。

 日本人はいつから、日本という国を意識するようになったのか、というテーマでは、井上氏は日本という国のまとまりが少なくとも元寇(げんこう=1274年の文永の役、1281年の弘安の役)のころには出来ていたと説く。

 一方の本郷氏は元寇で戦った九州の武士には、国を守るという意識はなく、俺の土地を守るという意識で戦ったのだと反論。鎌倉を動かなかった軍事司令官だった執権・北条時宗にも日本を守るという意識がなかったと。

 さらに当時の日本のかたちを論じた、天皇を中心とした権門体制論と鎌倉幕府をもうひとつの国と見る東国国家論について意見を戦わすほか、天皇家や明治維新など豊富なテーマを縦横無尽に語りつくす。

(祥伝社 840円+税)

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