「路地裏で考える」平川克美著

公開日: 更新日:

「路地裏目線」で世の中を見つめたエッセー。

 仕事上では合理主義者であったかつての部下のユダヤ系アメリカ人が、日本映画で好きなのは「釣りバカ日誌」だとよく言っていたという。この極めて日本的な映画が彼の心を捉えたのはなぜか。そして、この原作の漫画が実に40年も連載が続く人気を得たのはなぜか。この作品を糸口に高度経済成長を経て、社会が定常化経済へと移行した時代のサラリーマン社会が持つ本質的な問題とはいかなるものかと考察する。

 ほかに、「映画の中の路地裏」と題した映画評や、中学時代の友人と始めた温泉巡りの出先で考えたことなど。生活者の視点を大切に思索を深めていく。

(筑摩書房 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議