「堕ちた英雄『独裁者』ムガベの37年」石原孝著

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 2017年、国軍による事実上のクーデターによって辞任を表明したロバート・ムガベ前ジンバブエ大統領。独立から37年、敵対勢力を支持する少数民族2万人の殺害や、コンゴ民主共和国の内戦への派兵による国家財政の悪化、さらに白人の農地を接収して元ゲリラ兵や側近に分配するなど、その独裁ぶりは金正恩委員長に次ぐともいわれ、辞任時には独裁者の退場に国中が喜びを爆発させた。

 しかし、新聞記者の著者が取材を続けると、ムガベを独立の英雄としてあのマンデラ氏よりも評価する人も多く、独裁者のイメージは国民ではなく、よそ者によってつくられたとの声も聞く。

 本書は、英雄と独裁者の2つの顔を持つ氏の足跡をたどり、その光と影に迫るノンフィクション。

 (集英社 860円+税)



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