「円也党、奔(はし)る」早見俊著

公開日: 更新日:

 元亀3(1572)年7月、信長は浅井長政の小谷城攻略に頭を悩ませていた。前日には浅井に加勢するため越前から朝倉義景が来援し、小谷城近くの大嶽山に陣を構えていた。軍議で、明智光秀が没収した延暦寺の所領を手土産にして朝倉を撤兵させる策を提案。信長の許しを得た光秀は、変装して朝倉本陣に乗り込み、旧知の奉行衆・前波に接触する。

 しかし、交渉は決裂、光秀は朝倉から打ち首を言い渡される。配下の遊行僧・円也に助けられた光秀は、朝倉の信頼を失っている前波を寝返らせることに。前波が寝返れば、朝倉の足元が危うくなると踏んだのだ。円也が率いる円也党の面々が前波の所領の村で調略にとりかかる。

 智将・光秀が密かに抱える忍び軍団の活躍を描く時代エンタメ。

(徳間書店 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  3. 3

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    阿部巨人が《もっともビビる》阪神投手の復帰でCS戦々恐々…Gナインに根付く苦手意識

  1. 6

    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

  2. 7

    兵庫パワハラ知事やコバホークも? 東大→官僚→政治家は“ピカピカの経歴”にあらず旧いタイプ

  3. 8

    やす子「24時間テレビ」での好感度上昇は諸刃の剣…早くも“イジリにくい芸人”になる懸念

  4. 9

    キムタクが迫られる「主役の座」からの退場…盟友からも“二番手”降格を提言される異例の事態

  5. 10

    神田正輝「旅サラダ」“有終の美”前に拒絶態度は変わらず…沙也加さん元カレ舞台中止で復帰は絶望的