「5万4千円でアジア大横断」下川裕治著

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 東京からトルコのイスタンブールまで続くアジアハイウエーをひたすら長距離バスで移動した旅の記録(北朝鮮などバスに乗ることができない区間は船と飛行機を利用)。移動距離1万7000キロ、2005~06年のレートでの総運賃は書名通り5万4091円で、その安さに驚くが、比例して旅は過酷を極める。

 当時、51歳の著者は、それまでにルートは違えど日本からヨーロッパまでの陸路の旅を4回経験。アジアのバスは「遅い・狭い・揺れる・故障する」の4重苦で、企画が持ち上がったときには、かつてインドのバス旅で「脳が壊れた」体験が蘇り、ひるむが、それでも心と体にムチ打ち、旅に出る。

 カメラマンと、私費で参加した若き料理人とともに日本橋からトルコまで27日間の全記録。

(朝日新聞出版 858円)

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