「ポスト・ヒューマニズム」岡本裕一朗著
ルネサンスが始まった14世紀以降、「ヒューマニズム」が西洋近代社会を形作ってきた。しかし、テクノロジーの進化によって、近年「人間」という概念そのものに疑問が付され、「非・反人間」「非人道的なもの」「人間以後」などの言葉が横行。これらを貫いている思想的態度が「ポスト・ヒューマニズム」だという。21世紀に入り、「ポスト・ヒューマニズム的転回」が起こり、人間を中心とした西洋近代社会を揺るがしている。
こうした状況の中で、「インターネットから生まれた哲学」と言われる「思弁的実在論」をはじめ、「加速主義」「新実在論」など若き哲学者たちによる新たな思想が生まれている。
本書は、各思想がどのような立場や観点から展開されているのかを解説する現代哲学テキスト。
(NHK出版 968円)