「死の講義」橋爪大三郎著
死んだらどうなるかということについては、いくつかの考え方がある。「輪廻(りんね)」のように他の人間や動物に生まれ変わるというものや、死んだら完全に消滅するというものなどがあるが、「完全に消滅する」という考えには2通りある。
自分が死ぬと自分の存在はなくなるが、この世界や周囲の人々は存在するという考え方と、自分が死んだらこの世界や周囲の人々も存在しなくなるという考え方だ。この世界や周囲の人々の存在を保証しているのが「わたし」だからだ。
こう考えるのが「ニヒリスト」だが「常識的な無神論者」は、自分が死んでも家族やこの世界は存在すると考える。
哲学や宗教が「死」をどう考えるかを分かりやすく解説。
(ダイヤモンド社 1700円+税)