「日本 ご当地パン大全」PlanLink構成・編集
日本でパン作りが始まったのは江戸後期。明治2年には日本初のパン屋さんが登場し、5年後には「あんパン」が発明されるなど、西洋の食べ物だったパンは日本独自の菓子パンとして庶民に定着していった。
大正時代になると、全国各地にパン屋さんが続々と開業し、それぞれのパン職人が、新しいパンを考案。そうして、その土地に根付き、地元の人々に愛され、ソウルフードとなる「ご当地パン」が誕生していった。
そんな各地の「ご当地パン」を紹介するガイドブック。
信州のご当地パン「牛乳パン」は、ホイップクリームを挟み込んだ厚みのあるパンで、店ごとに味や形にこだわりがある。
元祖である長野県のかねまるパン店の隠し味はブランデーだという。
高知県のご当地パンとして親しまれているのは、平らで丸いカステラ生地の上に半円形のパンがのった「ぼうしパン」。
今から40年近く前、メロンパンの上にかけるビスケット生地の代わりにカステラ生地をかけて焼いたのが始まりだとか。
そのほか、福島県の「クリームボックス」や神奈川県横須賀の「ポテチパン」、島根県の「バラパン」など、各地のソウルフードとなった「ソウルパン」が勢ぞろい。
「ご当地パン」界でサラダパンと言えば、滋賀県長浜市のつるやパンの商品を指す。同店のサラダパンはふかふかのコッペパンにマヨネーズであえたタクアンが入っており、ユニークな味と食感で1962年の発売以来の看板商品だそうだ。
そんな地元のパン屋さんやパンメーカーが、その土地ならではのユニークな素材を使ったパンやレトロなパッケージをエピソードたっぷりに紹介。
旅行の際には、地元のパン屋さんに立ち寄るのもお忘れなく。
(辰巳出版 1650円)