「ルポ大学崩壊」田中圭太郎著

公開日: 更新日:

「ルポ大学崩壊」田中圭太郎著

 教職員の大量解雇やハラスメントの捏造による懲戒解雇など、いま、各地の大学で異変が起きている。一部の人間による大学の「独裁化」と「私物化」が進んだ結果だ。

 2000年以降に増え始めたこうした大学の独裁化と私物化を後押ししたのは、04年の国立大学法人化と私立学校法の改正だという。独立行政法人化することで各国立大学の自主性や独立性を確保するといわれたが、実際には国からの交付金や、人件費が削減され、非常勤教職員が増加。学外の委員が入った選考会議で学長が決まる仕組みになった。

 寮に住む学生を提訴した京都大学や、総長を解任した北海道大学など、各地の大学で起きている事例を紹介しながら、その背景に迫るルポ。 (筑摩書房 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇