「はじめてのクラシック音楽」許光俊著
「はじめてのクラシック音楽」許光俊著
著者によると、海外の名作文学に詳しくなりたいなら、どんどん読めばいいが、クラシック音楽はそうはいかないという。
ちょっとしたコツがあり、そのコツによって楽しめる度合いが違ってくるというのだ。そのコツを読者がつかめるように導いてくれる入門書。
そもそもクラシック音楽とは、どの時代の音楽なのか。著者はバッハが生まれた1685年から、第1次世界大戦前の1910年代までを、クラシック界における日常的なレパートリーと定義し、その理由を説明。
ほかにも交響曲や変奏曲、室内楽などジャンルや演奏に用いられる楽器の解説から、配信とCDのどちらで聴くべきかといった聴き方や、まずはどんなコンサートに行くべきかなど、基本を伝授。
さらに17世紀のフランス・バロックの代表的な作曲家ジャン=バティスト・リュリから日本の武満徹まで、代表的な作曲家、演奏家、指揮者、オーケストラまで解説。
その中から気になるものをまずは聴き、自分自身にとっての「美」を見つけてほしいと説く。
(講談社 1012円)