「奇書の世界史」三崎律日著
「奇書の世界史」三崎律日著
「かつては当たり前に読まれていたが、現代では奇書になってしまった書物」と、「かつては悪書・奇書として虐げられていたが、現代では名著と称えられている書物」の双方を紹介しながら、人類がたどってきた「価値観の変化」を浮き彫りにする書物を巡る物語。
前者の筆頭は、1486年に出版された魔女狩りの手引書「魔女に与える鉄槌」。異端審問官の著者、ハインリヒ・クラーメルが本書を書くきっかけとなった出来事から、本の内容、そして本が広まった背景まで解説。
後者は、原子の存在や生物の進化について、現代では常識となっている事柄について紀元前1世紀ごろに既に記されているルクレティウス著「物の本質について」など、人間を善悪のどちらにも導く書物の魔力を紹介。
(PHP研究所 1078円)