(4)いつの間にか行かず後家の身に
おしまは今年取って二十五になる。十二の年に木挽き職人だった父が流行病で亡くなり、それからは母が女手一つでおしまと六歳下の妹を育てた。母も仕立物の腕が良く、呉服屋から内職をもらっていたので、母子三人はそのまま大鋸町の長屋に住み続けることが出来た。
十六になった年、母も風邪…
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